フィン中等部の農業は、単に野菜を育てるための活動ではありません。

農業を通して、自分の力を取り戻し、社会へつながっていくための学びの場です。

不登校や生きづらさを抱えた子どもたちの中には、「自分には何もできない」「失敗したらどうしよう」という気持ちを持っている子もいます。しかし農業には、種をまき、水をやり、草を取り、収穫するという分かりやすいプロセスがあります。自分が手をかけた分だけ作物が育つ経験は、子どもたちに大きな達成感を与えます。

まずは土に触れ、体を動かし、季節の移り変わりを感じながら心身を整えることから始まります。自然のリズムの中で過ごすことで、焦りや緊張が少しずつ和らぎ、「今日も来られた」「作業ができた」という小さな成功体験を積み重ねていきます。これが回復の第一歩です。 そして、自分が育てた野菜が収穫できたり、誰かに「おいしい」と言ってもらえたりすることで、「自分にもできる」という自信が生まれます。農業は結果が目に見えるため、自信につながりやすい学びです。

さらに農業は一人では成り立ちません。仲間と協力し、役割を分担し、計画を立て、販売や地域との交流を行う中で、社会で必要とされるコミュニケーション力や責任感、継続する力を身につけていきます。